奥歯(臼歯)の詰め物
初期のむし歯はむし歯になってるところを削って詰めものをする治療が一般的に行われます。その詰め物に使われる歯科材料は日進月歩で進化しています。
一方、時代を経ても変わらず高い評価を得て使われ続ける材料もあります。その中から当院で使用している材料(治療方法)をご紹介します。
1.即日治療終了:その日に治療が終わる詰め物
1)コンポジットレジン(保険治療)
現在、全国の歯科医院で最も頻繁に行われている白い詰め物の材料です。この写真ではいちばん奥の歯の詰め物。
(メリット)
- 歯を削る量が最小限で済む
- 詰めたところが目立たない
- その日のうちに詰め物が入る
- すり減りや欠けにリペアがきく
- 歯よりも柔らかいので周りの歯を痛めにくい
(デメリット)
- 直接詰められない場所がある
- 時間が経つと着色や変色がおきやすい
- 咬耗しやすく強度が足りないこともある
- 時間が経つとすり減るので大きい面積の詰め物には向かない(とくに大臼歯)
2)グラディアダイレクト(自費治療)
グラディアダイレクトとは、小さなむし歯の穴を透明性の異なる複数色のハイブリットセラミックを即日つめる治療法です。
料金:10,000円
(メリット)上記コンポジットレジンのメリット5項目に加えて
- カラーバリエーションが豊富で自然な仕上がりのため天然歯のような美しさを 再現する
- 変色しにくく、高い強度もあるため長期にわたり安定する
- コンポジットレジンよりは硬いが金属やセラミックよりは強度が劣るので臼歯の咬合面は時間が経つと咬耗することがある
- 時間が経つと多少の着色や変色はおきることがある
2.通院は最短2回:歯型をとって製作し、後日歯に詰める詰め物
1)金銀パラジウム合金(保険治療)
保険の金属「金パラ」として有名
(メリット)
- 硬く、強く、噛む力にも耐久性がある
- 適用範囲が広く様々なケースに使える
- 見た目が目立つ
- 詰め物を外れにくくするために余分に歯を削る必要がある
- 硬いため周りの歯を痛めることがある
- 金属アレルギーの方には向かない
2)金合金(白金加金) (自費治療)
ピタリとフィットし歯にやさしい
料金:小臼歯 50,000円 大臼歯 55,000円
(メリット)
- 歯にピタリとフィットし段差ができにくい
- 強度があり強い噛む力にも耐久性がある
- 適用範囲が広く様々なケースに使える
- 金属アレルギーがおきにくい
- 見た目が目立つ
- 詰め物を外れにくくするために余分に歯を削る必要がある
- 材料費が高価
3)ハイブリットセラミック(グラディアインレー)(自費治療)
セラミックとレジンの混合材料
料金:小臼歯 25,000円 大臼歯:30,000円
(メリット)
- 詰めたところが目立たない
- セラミックよりも安価
- 歯よりも柔らかいので周りの歯を痛めにくい
(デメリット)
- 時間が経つと着色や変色がおきることがある
- 咬耗しやすく強度が足りないこともある
- 歯ぎしりや食いしばりがひどい人には割れる危険があるので向かない
4)プレス式(e-MAX)(自費治療)
審美性ならこれ!耐久性も進化中
料金:小臼歯 45,000円 大臼歯 50,000円
(メリット)
- 色合いが歯に近く透明感とツヤがある
- 汚れがつきにくく変色しにくい
- 曲げ強さがあり、かなり割れにくい
- 歯とほぼ同じ硬さなので周りの歯を痛めにくい
- アレルギーの心配がない
(デメリット)
- 割れることがある
- 偏った力がかからないようにときどき噛み合わせのチェックが必要
- 強度を確保するには厚みが必要なので歯を深めに削る必要がある
- 製作には高度なテクニックが必要