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鼻うがいの勧め

新型コロナウイルス第2波もほぼ落ち着いたようで少し安心の昨今ですが、この4連休でGo-To キャンペーンを利用した人の移動が多かったことがどう影響するか心配なところです。

おまけにもうすぐインフルエンザの季節も始まりますし政府や医療界もかなり危惧しているのは皆さんもご存知と思います。

 

そこで今回は鼻うがいによる上咽頭洗浄の効果について書いてみました。

新型コロナウイルスの感染経路は、鼻・口などからの飛沫やエアロゾルが主となります。

そのため口呼吸は、様々な環境汚染物質や細菌・ウイルスの侵入経路となりえます。

したがって鼻呼吸は健康の維持増進のためにも重要です。というのも、鼻腔から入った塵や細菌は、鼻腔内の粘膜や線毛細胞によりにより80%(3〜5μm)まで捕捉されます。さらにその奥には咽頭壁があり、空気の流れは大きく下向きに変わります。この部分が上咽頭であり細菌・ウイルスの溜まり場となります。

そこで、ここには咽頭扁桃が存在し、これらの侵入を防いでいます。実際、ウイルスの侵入経路の70%は鼻腔や上咽頭とされています。(下図左)

さて、新型コロナウイルスの潜伏期間は平均5日(4〜7日)で、インフルエンザ(1〜2日)に比べて長いと言われています。そこで上咽頭の粘膜上皮に侵入して増殖する前に洗浄することで感染を防げる可能性があるという説もあります。詳しくは「新型コロナウイルス感染対策と鼻うがい 堀田 修先生」を検索してください。PCR検査で長い綿棒を鼻に突っ込んで調べているのが、この上咽頭粘膜部です。

そこで日本病巣疾患研究会は、鼻うがいを推奨しています。これも「みんなで鼻うがいプロジェクト 認定NPO法人 日本病巣疾患研究会」も検索してください。

鼻うがいは痛いと思われている方が多いと思います。普通の水でやればもちろん痛いですが、体液に近い塩分濃度の生理食塩水やドラッグストアなどで市販されている鼻うがいのキッドでその専用液を使えば痛いということはありません。

普段、人と接するときはいつもマスクを着用している人でも、繁華街に買い物に出たり、たまに友人と外で会食したりカラオケに行ったりした後は、帰宅後自宅でいつものうがい、手洗いに加えて、鼻うがいもされてはいかがでしょうか。

(下図右)

最後に口腔ケアの重要性について。高齢者に口腔ケアを行うとインフルエンザが10分の1に減ったという調査があります。新型コロナウイルスは舌の表面に侵入して増殖しやすいと言われていますが、唾液の量が少なく口が乾燥しているとウイルスは増殖しやすくなります。高齢者は加齢や服用薬の影響などで口が乾燥しやすくなり、感染リスクが高くなります。

高齢者施設で口腔ケアをしっかり行うことは、集団感染の予防にもつながりますし、最近、歯科医院の受診を控えている方も多く見られますが、歯科医院で口腔ケアをしっかり行うことは虫歯や歯周病予防だけでなく、インフルエンザや新型コロナウイルスの感染予防にもつながります。